マクロ経済学入門①三面等価の原則

だれかが作ったもの(生産)はだれかが買い(支出)、だれかが使ったお金はほかの誰かの所得(分配)となる。それゆえ「生産」「支出」「分配」の3つは同じ額になる。これが三面等価の原則、だ。

Ⅰ国民総生産=国民総支出
人々が経済活動を行っていると、必ず生産活動を行う。そしてその生産した付加価値の合計が国民総生産として計算される。その生産されたものは必ず誰かが買っているから
国民総生産=国民総支出が成り立つ。

また、買い手は民間・政府・海外のどれかだから
国民総支出
=民間消費+民間投資+政府支出+経常海外余剰

となる。

国民総支出国民総所得
だれかがお金を使ったら、そのお金を受け取った人がいて、「ちがう誰かの所得」になっているはずだから国民総支出国民総所得となる。またその内訳は
国民総所得
=被雇用者所得+営業余剰+(間接税-補助金)+固定資本減耗

となる。

また生産面からみたGDPをY、民間消費をC、民間貯蓄をS、民間投資をI、政府支出をG、租税をT、輸出をEX、輸入をIMとすると
国民総生産:Y
国民総支出:C+I+G+(EX-IM)
国民総所得:C+S+T
となる。そして三面等価の原則より
Y=C+S+T・・・・鄯
Y=C+I+G+(EX-IM)・・・鄱である。
ここで鄯-鄱より
S-I=(G-T)+(EX-IM)・・・鄴
言うまでもないがS-Iは民間貯蓄-投資を表している。だからS-I>0ならば貯蓄超過、S-I<0ならば投資超過。またG-T>0ならば財政赤字、G-T<0ならば財政黒字を表す。EX-IM>0ならば貿易黒字、EX-IM<0ならば貿易赤字である。

そしてS-I=EX−IMだけに着目してみると
貿易赤字が発生(EX−IM<0)するのは貯蓄不足、投資超過(S-I<0)だから。貿易黒字が発生するのは貯蓄超過、投資不足だから、という論理が成立する。