マクロ経済学入門②乗数理論

国民所得YはY=C+Iと表される。
ここで消費Cについて、必要最低限の消費分をC'、限界消費性向をcとすると
C=C’+cYと表される。
なお限界消費性向とは、所得が増えたときどれだけ消費に回すか、を表したものである。言うまでもないが0<c<1である。

したがって
Y=C+I=C'+cY+Iとなる。
だからIがふえれば当然Yも増える。ではどのくらい増えるのか?
たとえばIが増え、Yが増えると、所得が増えた人々はまた消費に回す。するとまた別の人々の所得が増える・・・。このようにどんどん循環していく。このように効果が何倍も拡大するという理論を、乗数理論という。それを数式で見てみよう。
さてY=C'+cY+Iを変形すると
Y−cY=C'+Iとなり
Y(1−c)=C’+Iだから両辺を1−cで割ると
Y=1/1-c×I+1/1-c×C'となる。
またYをIで微分すると
⊿Y/⊿I=1/1-cとなる。
このとき1/1-cを乗数と呼ぶ。これはIが増えると、Yはその1/1−c倍だけ増える表す。