競争戦略論入門②競争の基本戦略

競争戦略とは業界内で防衛可能な地位をつくり、5つの競争要因にうまく対処し、企業の投資収益を大きくするためのアクションである。そして上記のように防衛可能な地位をつくり、競争相手に打ち勝つため以下に示す3つの基本戦略が存在する。
コストのリーダーシップ
差別化
集中

①コストのリーダーシップ
効率のよい規模の生産設備を積極的に建設し、エクスペリエンスを増やすことでコストを削減、零細顧客との取引を避け、セールスマンや広告といった面でのコストを切り詰めるのである。同業者よりも低コストを実現するのが一貫したテーマである。低コスト地位を占めると業界内に強力な競争要因が表れても、平均以上の収益を生むことができる。また同業者からの攻撃を避ける防御態勢も築ける。また買い手、売り手に対しても有利な地位を確保でき、新規参入業者への参入障壁にもなる。

②差別化
自社の製品やサービスを差別化して、業界の中でも特異だと見られる何かを創造しようとする戦略である。差別化に成功すると、業界の平均以上の収益を得ることができる。差別化は、同業者からの攻撃への防御になり、顧客からブランドへの忠実性がもらえる。当然参入障壁ともなりえるし、差別化がもたらすマージンは供給業者の力に対する能力を増やし、買い手の力を弱める。また代替製品にも有利な立場でいられる。

③集中
すなわち特定の買い手グループや製品の種類、市場へ企業の資源を集中する戦略である。狭いターゲットに絞るほうがより効果的で、効率がよいとの前提があってこ戦略がとられる。集中を果たした企業はその業界の平均を上回る収益を得られる。というのは集中がうまくいくと、同時にその絞られたターゲットについて低コストの地位を確保するか、あるいは差別化に成功するからである。そして5つの競争要因に対して防衛力ができる。