ドラッカー経営学入門③事業とは何か

あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向付け、努力を実現するためには、「われわれの事業は何か。何であるべきか」を定義することが不可欠である。そして事業は顧客によって定義される。

したがって「顧客は誰か」との問いこそ、個々の企業の使命を定義するうえで、もっとも重要な問いである。そして「顧客はどこにいるか」を問うことも重要である。つぎに「顧客は何を買うか」である。

しかし「われわれの事業は何か」との問いに対して答えるのに成功したものさえ、やがて陳腐化する。そこでマネジメントたるものは「われわれの事業は何になるか。われわれの事業のもつ性格、使命、目的に影響を与えるおそれのある環境の変化は認められるか」「それらの予測を、事業についてのわれわれの定義、すなわち事業の目的、戦略、仕事の中に現時点でいかに組み込むか」を考えなければならない。この場合、市場が出発点になる。すなわち「顧客、市場、技術に基本的な変化が起こらないものとして、5年後あるいは10年後に、いかなる大きさの市場を予測することができるか。いかなる要因がその予測を正当化し、あるいは無効とするか」である。

同時に「われわれの事業は何であるべきか」との問いも必要である。現在の事業をまったく別の事業に変えることによって、新しい機械を開拓し、創造することができるかもしれない。そしてこの問いに答えるうえで考慮するべき要因は社会、経済、市場の変化であり、イノベーションである。

事業の定義があってはじめて目標を設定し、戦略を発展させ、資源を集中し、活動を開始することができる。業績をあげるべくマネジメントできるようになる。

まとめ
●マネジメントには事業の定義が不可欠
●事業は顧客によって定義される
●われわれの事業は何か、何であるべきかを定義しなければならない