マルクス経済学入門③絶対的剰余価値、相対的剰余価値、特別剰余価値

労働とは2つに分けられる。必要労働時間剰余労働時間だ。
前者は労働者が自分の労働力の価値と同じ労働をする時間であり、後者は資本家の利益のための労働である。なお総労働時間=必要労働時間+剰余労働時間、である。以上を踏まえた上で、本題に入ろう。

絶対的剰余価値とは何か。簡単に言うと、剰余労働そのものの時間を増やすことで資本家が得る利益のことである。たとえば日給8000円で雇った労働者の労働時間を長引かせて8000円以上の労働をさせることで、雇い主が得る利益のことである。

相対的剰余価値とは何か。それは労働力の価値をさげることで、剰余労働時間を増やすことで資本家が得る利益のことである。たとえば今まで高度な職人しか作れなかった製品が、機械の導入によって誰でも作れるようになったら必然的にその仕事に従事する労働者の労働価値は下がり、必要労働時間は減る。総労働時間は必要労働時間と剰余労働時間の和であるから、相対的に剰余労働時間が増えるのだ。

では特別剰余価値とは何か。ある1社だけが技術革新によって他社より生産性を高めたとしよう。すると当然その会社の利益は他社を上回る。これが特別剰余価値だ。もっともこのように技術革新を起こしても、やがて他社はそれに追随する。そうなるともはやその利益は「特別」では無くなり、単に労働価値が下がっただけなので、特別剰余価値は相対的剰余価値となる。