マルクス経済学入門⑥拡大再生産

さて前回同様、企業1が生産手段を作る会社、企業2が消費手段を作る会社とする。そしてwが商品の価値だから
企業1:6000w1
企業2:2250w2としよう。

拡大再生産とは、資本家が自分の給料mを全部使わず、一部を来季の生産にとっておく生産を指す。
とすると
6000w1=4000c1+1000v1+400mc1+100mv+500m1となる。なお400mc1とはmのうち400をc1に回し、100mvはmのうち100をvに回すという意味である。
また単純再生産でもそうだったようにv1+m1=c2だから
c1’=4000c1+400mc=4400
v1’=1000v1+100mv=1100
m1’=1000m1−400mc1−100mv1=500
のうちc2’が1100+500=1600となる必要がある。

すなわち
2250w2=1500c2+375v2+100mc2+25mv2+250m2となる。
そして企業1、企業2はそれぞれ来季は4400c1’、1100v1’、1600c2’、400v2’となる。
生産高は
企業1:4400c1+1100v1+1100m1=6600w1
企業2:1600c2+400v2+400m2=2400w2
となり、企業1・2ともに増えている。これが拡大再生産である。

しかしながらこの拡大再生産には2つ問題がある。
①生産を拡大したくてもそのための機械が足りない
②f>GF問題

①に関して。このように拡大生産を行うのに必要になってくる生産手段を余剰生産手段と呼ぶ。

②に関して。fを生産物の価値のうち、機械の価値が移転した部分。GFを新しく機械を買うために積み立てておいたお金とする。拡大再生産のうち、どの年度でもf>GFとなる。