マルクス経済学入門②剰余価値と労働

剰余価値とは何か。
剰余価値を理解するためには「労働」というものについてみていかなければならない。そこで労働者についての定義を見てみよう。労働者とは
①自由に労働力を売ることができる。つまり人格的に自由である
②生産手段を持たない。
存在である。

次に労働について分析してみよう。労働を商品として見た場合、この使用価値は「新しい価値を生産物に付け加えること」である。しかしながら同時に、労働というのは抽象的人間労働の投入によって生産物に価値を付け加えている。要約すると、労働は使用価値を持つと同時に生産物に価値を付け加えるのである。余談だがこれを労働の二重性と呼ぶ。

さて労働について一通り考察したところで、いよいよ剰余価値が生み出されていくプロセスを見てみよう。

仮に
パン自体12000
固定資本減耗4000
労働者の給料4000
とすると
すべてを足すと20000となる。これがパンの価値である。
だからこれを20000で売っても資本家の利益はゼロである。

しかし労働者の給料を一定として2倍の量のパンをつくったらどうなるだろう。

パン自体24000
固定資本減耗8000
労働者の給料4000

となり資本家が払うのは36000である
しかし実際は労働者は2倍のパンをつくるために2倍働いているのだから労働は8000の価値を持つ。
つまりパンの価値は24000+8000+8000で40000となる。
何が言いたいかお分かりいただけただろうか?
労働者は自分の実際の労働力の価値よりも多くの価値を生産したのである。そしてこの差額分を剰余価値と呼ぶ。
要約すると、剰余価値は労働者に自分の価値よりも多くの価値を生産することで生み出される、のである。ちなみに労働者が自分の労働と等しい価値を生産する労働を必要労働、資本家の利益のための労働を剰余労働と呼ぶ。